先日、和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドにおいて開催された「ドリデイ2025」に、副実行委員長として参加させていただいた機会を通じて、私なりの想いやこれからの展望を記しておきます。
イベントの詳細は下記の公式ページのレポートをご覧ください。
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イベントの趣旨

「ドリデイ」とは、正式名称「ドリームデイ・アット・ザ・ズー2025 in アドベンチャーワールド」で、18歳以下の障がいのあるお子さまとそのご家族を園に無料でご招待し、一日を自然・動物・仲間とともに過ごしていただく特別企画です。
この取り組みの中で掲げられているのは、こうした「特別なとき」が、いつか「当たり前のとき」に変わる社会をつくっていこうという想い。属性や特性に関わらず、ひとりひとりが社会の構成員として、共に助け合いながら生きていく――そんな未来を目指しているのです。
私自身、COMMON株式会社の名を代表して実行委員会に参加させていただく機会を得る中で、「助け合い」「共生」「地域/社会課題へのアクション」というキーワードが、自社の事業ビジョンとも強く重なっていることを、あらためて強く感じました。
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想い

今回、私が副実行委員長としてこの場に立った背景には、二つの視点があります。
第一に、企業としての社会的責任(CSR)を越えた「共創(co-creation)」として、地域・社会の課題に対して自社の持つリソース・ネットワークをどう活かしていくか。第二に、社員・会員・関係先を巻き込む「実践の場」をつくることです。
1. 社会課題への実践的アプローチとして
「障がいのあるお子さま・そのご家族を無料でご招待」というこのドリデイの仕組みは、単なる支援イベントにとどまりません。「いままで選択肢が制限されていた」ことに対し、少しでも“当たり前”の選択肢を提示していくという意味合いを持っています。
私たちCOMMON株式会社としても、防災・減災事業を通じて「多様な人たちが安心して暮らせる地域をつくる」ことをミッションにしており、このイベントの趣旨に共鳴しました。そして、今回副実行委員長という立場で、より主体的にその実現に関わることで、単なる支援の枠を越えて、伴走型・連携型のモデルを提示したいと考えました。
2. 会員・連携企業との「現場体験」の創出
さらに、今回のドリデイには、COMMONの会員企業からもご参加・ご協力をいただきました。たとえば、マザープラスさんが協賛に、一般社団法人サンタスピリッツさんがブース出展でご参加いただきました。
こうした企業同士、地域、行政、NPOが“場”を共有することで、口頭・会議室だけでは得られない「現場での肌感覚」「子どもたちやご家族の笑顔・困りごと・挑戦」のリアルを、皆で分かち合えたことが非常に価値あると感じています。
実行委員長としてだけでなく、企業の一員として「地域課題や社会課題に向けて進むには、まず足を運び、つながり、感じる」という実践を自分自身が体現したかったのです。
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振り返って、感じたこと

• 雨が少しぱらつく中でしたが、100名のSmileサポーターや42団体がブース出展・イベントを実施してくださり、会場全体が温かな雰囲気に包まれました。
• 動物との出会いや、はじめての挑戦、きょうだいやご家族みんなで過ごす時間――こうした瞬間が実際に多数生まれたという報告に、やはり「場をつくる意味」があると強く思いました。
• “特別なとき”を“当たり前のとき”に変えていくためには、こうしたイベントを一回きりにせず、地域・企業・団体が継続的に関わっていくことが重要です。今回この実践を共にしてくださった企業・団体の皆さまには深く感謝しています。
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今後に向けての展望
今回のドリデイで得られた「ご家族の笑顔」「企業・会員・地域とのつながり」「課題を体感する場」という成果を、COMMON株式会社として次の段階に繋げていきたいと思います。具体的には:
• 当社会員企業やパートナー企業の皆さまとの連携の横展開:今回参加くださった団体に加え、まだ関わっていない企業を巻き込み、障がいのある方もそうでない方も“安心して余暇を楽しめる”環境づくりに関するプロジェクトを共に模索していきます。
• 地域課題と社会課題の統合:例えば“障がい”を切り口にだけではなく、防災・減災・地域包括ケア・観光・余暇といった視点も統合し、「誰もが安心して暮らせて楽しめる地域」というテーマで活動を広げていきます。
• “当たり前”を実現するための仕組みづくり:単発イベントに終わらせず、参加者・支援者・地域・企業が継続的に関わりを持つプラットフォームをCOMMONとして構築していきます。今回のドリデイはその第一歩と捉えています。
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最後に、この場を借りて、マザープラス様、一般社団法人サンタスピリッツ様をはじめとするご協賛・ご出展の皆さま、そしてイベントを共に支えてくださったボランティア・Smileサポーター・地域の皆さま、そしてご来園くださったご家族の皆さまに、心から感謝申し上げます。
「共に助け合い、共に楽しむ」ことが当たり前となる社会を目指して、COMMON株式会社としてこれからも現場に足を運び、つながりを育み、実践を続けてまいります。
──増田(副実行委員長/COMMON株式会社)